January 17, 2021By Shirousa← Back to Blog

オリオン座の形が変わるとき


目次

オリオン座の形が変わるとき

星座は、人類史のはるか昔から楽しまれてきたと思います。 また、星座をみる占星術は天文学へ繋がり、今は宇宙の泡構造(銀河同士の分布)など多くのことが分かっています。

さて、冬を代表する星座の一つにオリオン座があります。 シリウス・プロキオン・ベテルギウスと冬の大三角を構成する星座の一つですが、オリオン座の形が変わるかもしれないという話をしたいともいます。

オリオン座

ギリシャ神話のオリオンに名前の起源を持つオリオン座ですが、 その体にベルトを巻くような特徴的な形は、カシオペヤ座や北斗七星とともに多くの人に知られている星座の一つだと思います。

いま、オリオン座の形が変わるかもしれないと言われています。

星座の形を変えようというのではなく、明日にでも星がなくなるかもしれないと言われています。

脈動変光星という変わった特徴をもつ、オリオン座α星『ベテルギウス』について話をしたいと思います。

オリオン座α星 ベテルギウス

オリオン座の左上に見える、赤く大きな星がベテルギウスです。 オリオン座α星と呼ばれています。

この名前は、星の見かけ上の明るさで順に名前が付けられ、α星、β星、γ星と続きます。

名前だけで見れば、ベテルギウスはオリオン座で一番明るいはずです。 しかし、脈動変光星という特徴により、時期によって β星 リゲルより暗くなるという特徴を持ちます。

どの程度変わるかというと、0.0等級から 1.3等級まで変わると言われています。 おおよそ、明るいときは暗いときの 3.3倍 明るくなるイメージです。

その変光の周期はおおよそ 6.4年とされています。

ベテルギウスは、星の分類からすると『赤色超巨星』です。 赤色超巨星はその名前の通り赤く輝き、その大きさはとても大きい星となっています。 赤い光は低温で暗い色なのですが、その大きさによって明るく見えるのです。

脈動変光は赤色超巨星の特徴の一つとなっています。

赤色巨星(赤色超巨星含む)は星の進化の最終段階で、この後には光を失っていくか、超新星爆発を起こして中性子星かブラックホールになると言われています。

そのため、ベテルギウスは今後、光を失うか、爆発するかのいずれかだと考えられています。

2020年の減光事件

ベテルギウスでは 2020年に大きく減光しました。 その明るさは 0.5等級 から 1.5等級まで暗くなり、2等星まで暗くなりました。

現在その明るさはおおよそ戻っておりますが過去最大の減光だったため、 このまま消えるのではないか、超新星爆発を起こすのではないかと言われておりました。

実は、減光の理由は現時点でも確定した理由が分かっておりません。

星自体の発光量が減っている可能性、黒点が発生している可能性、星の周りの塵により隠されている可能性など、多くの可能性が考慮されています。

減光の理由がわからないため、このまま消える可能性が捨てきれない星、それがベテルギウスです。

恒星進化

ここでは簡単に、なぜ星の寿命がわかるのか、についてお話したいと思います。

天文学を覚える際、一番最初に覚える『HR図』というのがあります。 同じ距離に見たときの星の明るさ(絶対等級)と星の色を図に置いたものです。

星は様々な明るさ、色のものがありますが、それを同じ距離で計算した際にはきれいに並ぶ線や集団が現れます。

この集団を調べることにより、進化の過程がわかってます。

星の一生

HR図上に左上から右下に向かってならぶ線があります。 この線のことを『主系列星』と呼びます。

星は、水素が重力によって収縮し、核融合反応を起こすことによって始まります。 そうして核融合反応が始まったものが『主系列星』であり太陽のような星がここに含まれます。

そして、核融合反応によってヘリウムが多く生成されてくるとヘリウムの収縮により温度があがり、 主系列星は赤色巨星に進化します。

太陽質量程度の星ではヘリウムは核融合反応せず、エネルギーを失い白色矮星となります。 太陽質量の 8倍より大きい恒星では超新星爆発をおこし中性子星や、ブラックホールへ進化します。

星の寿命

実は星の寿命には直感と反する面白い特徴があります。

大きな星は大量の燃料となる水素があります。 小さい星は燃料となる水素は少量です。

しかし、大きな星は寿命が短く、小さい星は寿命が長いのです。

大きな星は重力が強く、激しく反応をしているため寿命が短く。 小さい星は重力が弱いため、緩やかに反応するため寿命が長くなるのです。

恒星の寿命は 質量の3乗に反比例します。 参考 HR図の問題

太陽の寿命は 100億年程度と言われております。 超巨大な恒星である 『りゅうこつ座η星』は太陽質量の 100 - 120 倍の質量を持っています。 そのため、その巨大な恒星の需要は、太陽の 100万分の1、1万年程度だと予想されます。

まとめ

星というと不変の象徴とされてきました。 人類史のはるか昔から星座として形を残し、変わらず輝き続けてきたものです。

しかし、もしかしたら私達の生きているこの時代に星座にある星が消えるかもしれない事態となっています。

私としては、人類史に残るかもしれないこの事件、起きるとしたらぜひ見てみたいと思っています。

以上

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